金属3Dプリンターの造形方法と用途について

金属3Dプリンタについて

3Dプリンタの特許切れに伴い、年々、素材の種類が多くなってきています。

医療現場や実験などに応用できそうなゴム素材、フィギュアに使える石膏素材など、従来は樹脂素材がメインでしたが、様々な素材を使用できるようになってきました。そんな中で、最終製品としての活用に注目されているのが金属です。

今回は、金属3Dプリンタの造形方法と活用事例について纏めてみます!

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画像出典:https://www.nc-net.or.jp/company/89353/product/detail/61283/

造形方法

金属は一般的に融点が高いため、ノズルの先端部分で溶かして樹脂の輪切りを積み上げていく、熱溶解積層方式(FDM)では応用できません。「粉末焼結積層方式」と呼ばれる方法で製造されます。

あまり耳慣れしていない言葉ですが、粉末焼結積層方式とは一体どのような方式なのでしょうか?

簡単に説明すると、金属の粉末のプールを用意し、上からレーザーを照射して金属を焼いて固めていくという仕組みです。精度が高く、鋳型などの製作にもこの方法は使われているようです。金属の融点は樹脂よりもはるかに高いので、溶かすのでなく、粉末状の素材を固めていくようにして作られます。

3Dプリンターで造形するメリット

・金型が要らず、小ロットの製造に強みがあること。

・格子状のモデルなど、切削などでは再現できない難しい形状を製造できる。

ことが挙げられます。

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 画像出典:https://www.kyoei.co.jp/3dp/prox_100_200_300.html

▼金属3Dプリンター

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画像出典:http://www.toshiba-machine.co.jp/jp/NEWS/press/20151125.html

金属の3Dプリントの応用について

今までは、試作や研究用途で使われるケースが多かったですが、ShapewayやDMMなどのマーケットプレイスのサービスが普及し、個人のアクセサリーとして使われるようにもなりました。

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参考画像:http://thebridge.jp/2014/05/14-carat-gold-to-shapeways

アクセサリーをハンドメイドするとき、いままでは市販の、自分のイメージとはちょっと違うけどまあいっか・・・くらいの金属モチーフを使って作品を作ったり、自分の作りたいものにしっくりくる金属パーツがなかなか手に入れられなかったりすることがありました。また、出来上がっても一つ一つのパーツが細かすぎて一つでも壊れてしまうと全部がだめになってしまって、悲しくなってしまう経験をされた方も多いかと思います。

しかし、この金属3Dプリンタなら、自分がモデリングした好きな形の金属や、マーケットプレイスに落ちているデータ、パーツにぴったりはまる形の金具なども自由自在に作ることが可能です。

産業用の3Dプリンター機種で億単位の料金となり、保有する会社もかなり限られます。家庭用の金属3Dプリンタはまだあまり普及していませんが、40万円程度の金属3Dプリンターが発売され、今後低価格化が進むとも言われています。

まだまだ一般的な実用化は遠い気がしますが、普及するようになったら生活が面白くなるかもしれませんね。


画像の説明文 <運営元情報>
株式会社メルタは、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどのサービスを運営しています。ライターの仕事も受け付けます。


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株式会社メルタの代表。 1991年生まれ。高校・大学とボクシングのサンドバックに打ち込み、新卒で入ったベンチャーが半年で倒産し、未経験の3Dプリンター業界で起業。 創業当初は「3人の株式会社」という社名にして怒られていました。目新しいサービスが好きです。