落合陽一さんの作品にハマったので、勝手に3Dプリンターの考察記事とかをまとめてみた。

筆者の最近のマイブームは、YouTubeで那須川天心の試合と落合陽一さんの作品を見ることです。お昼休みと仕事の合間にダラダラと見てます。

 

落合陽一さんはシャボン玉をメディアにしたり、光の粒子を操ってティンカーベルみたいに動かしたりしている人です(那須川天心は格闘家なので今回のブログでは割愛します)

そして、落合さんの著書やインタビュー記事を読んでいるうちに、メディアアーティストの活動の一環として3Dプリンターを非常に利用しているというのが分かりました。

 

ここ数年で、総務省の異能ベーションに採択されたり、テレビに出てたりして話題になりましたね(ちなみに僕が知ったのも1年前くらいです)

説明するよりも動画を見るのが早いと思うので、以下のYouTubeをご覧ください!

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一番上のYouTubeの動画は、現時点で300万回以上再生されております。

最近だと音楽を着るジャケットとかも開発して話題になりましたね。

音楽を着る ONE OK ROCKの新曲を体感できるジャケットが開発 | Fashionsnap.com

 

落合さんは、メディアアーティスト、研究者、大学教員、起業家と多くの肩書をもっています。

著書である、魔法の世紀これからの世界をつくる仲間たちへなどの本を一通り読んだのですが、めっちゃ頭いいですね(理解できない部分がしばしばw)

 

 

落合陽一さんの主張としては、 今までアーティストはメディアの上で作品を表現していったのですが、メディアの装置が発展することで、作品自体が変わっていくというもの。

その表現技法として、3Dプリンターが活躍していくみたいですね。

 

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魔法の世紀を迎えるための助走 後編(落合陽一『魔法使いの研究室』) | PLANETS/第二次惑星開発委員会

 

 

前書きが長くなりました。。

 

ここで、筆者が色々と語って地雷を踏むのもあれなんで、落合陽一さんの3Dプリンターに対する考察や作品事例を挙げていきたいと思います。どうぞ!

 

3Dプリンターの活用事例

 

■Transformed Human Presence for Puppet Play

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SIGGRAPH E-techのデモも好評を博した、人間の身体性を他の形に変換していくプロジェクトです。3Dプリンターを用いて骨格を印刷し、人間の身体動作に合わせてモーションを計算していくことで様々な形に変換させることを目標にプロジェクトとして、今でも進行中です。VRゴーグルで没入させ、テレプレゼンスとして用いています。新たな身体はプリンターで創り、ボットとしての振る舞いと人としての振る舞いの差を研究するなど、人間が演じるロボットやロボットが演じるロボットとの関わりなど、さまざまなプロジェクトを並列して行っています。

 

 

普通だと回らないデザインのコマを、回るようにする(作品ではありません)

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以下の動画で、30分~です。

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取材記事などでの3Dプリンターに関する考察

 

落合陽一・きゅんくんらが次世代のイノヴェイターにバトンを渡す:「WIRED Lab. サマースクール」レポート|WIRED.jp

「物理演算シミュレーターや3Dプリンターなど、テクノロジーの発達によって、ヴァーチャルと現実はすでにインタラクティヴ。コンピューターと実社会は、すでにどちらもリアルです。区別は実質(virtual)か物質(material)かだけ。その境界を曖昧にしていくのがメディアアーティストの仕事です」と、参加者に向け話す落合。難解な内容ではあるが、子どもたちは食い入るように耳を傾けていた。

 

落合陽一さんインタビュー後編:インターネットに墓石は置けるか?|ギズモード・ジャパン

ソフトバンクのPepperとかすごくおもしろい例です。いままでロボットを作るのは違う業者がやってたけど、社内からロボット売るくらいならすぐできるじゃん、じゃあハードウェアビジネスモデルを会社買って、もしくはベンチャーと連携してやっちゃおうよみたいな。いままでだったら彼らの業種モデルの横展開って広告やデータ事業くらいだったんです。でも、メディアの枠を用意して誰かに売る代わりに、そこでハードウェア作っちゃってもいいし、業態自体をソフトウェア的に移行しちゃってもよくなったのがいまのメーカーズムーブメント。

3Dプリンターが主体だとメディアが喧伝していたあれは気のせいなんです、勘違いしている人はなんだかんだでまだ多いですけど(笑)。あれは象徴的機械だっただけで、社内でプロトタイピングからアウトソースまで、もう誰でもできるようになったってことが本質なんですよ。今までは電機メーカーは電機メーカー、車メーカーは車メーカーでやってたけど、「ソニーカー」があってもいいし「トヨタフォン」があってもいいんですよ。ほんとうに何やってもいい時代になっているんです。

 

 

落合陽一氏らに聞く世界の限界に立ち向かう挑戦者たちの思考 – ログミー

時代はどんどん魔術化していって、やる人たち、みんな専門家にわかれていった。それは、もう必然なんだなと。それに、抵抗しないようにしようと思ってからは、わりと。

なぜそうなったかというと、メイカーズムーブメントってあったじゃないですか。メイカーズムーブメントに、刃向かおうと思って。メイカーズムーブメントでやってることは、めちゃくちゃ簡単なことなんです。例えば、3Dプリンターに物を突っ込んだらグイッと出てくる。そこには別に構造解析の知識もいらないし、3Dプリンターを作るようなプログラミング能力もなくていい。そういうのを勉強しないのに、そういうのができちゃうのはすごく嫌だと思ってたんです。そこにいくら刃向かっても人間は楽なほうにいくので、「無理だ、これは戦ったら絶対にやられる」と思いました。その流れに身を任せ始めて、自分は「専門のことをやればいいや」と思ったときから、あらゆるものが魔法化していきました。「それでよいかな」と思ったときからわりと楽になりました。

 

 

落合陽一が語る: コンピュータデザインの未来とは | Qreators.jp[クリエーターズ]

例えば3dプリンターやレーザーカッターで作ったものって動かない、動作が記述できないのが難点だと思うんです。
でもコンピュータを使って物理場を作ってやれば、切ったものが、作ったものが、自由に動き回るし飛び回るようになるし、そうしたらこの世界ってもっとビビッドで楽しいものになるじゃないですか。 あらゆるものが生き生きしますよね。
それはきっと、2次元のテレビゲームの中、イメージや映像の中で遊ぶことはなくて、この物理世界で遊べる。 それが音響場を使ったらできるというのがこの例です。

落合陽一が語る: コンピュータデザインの未来とは | Qreators.jp[クリエーターズ]

さっき言ったようにどんなデータの系列があっても、縦でも横でも奥行きでも時間でも、それこそ4次元でも5次元でも6次元でも等価に計算できる。 人間は3次元か4次元くらいまでしかイメージできないけど、それよりも高次元なものを設計することが可能です。

つまり人がイメージできないような次元まで考えることができるし、その中で要素を最適化したり、捨てたりすることがコンピュータにとっての自然なんです。たとえば物体の質感は8次元の光線空間で捉えられるといわれていますが、そういうような簡単にはイメージできないことを計算して、最終結果として3Dプリンターで刷ることができる。人間は3次元に落とし込んだ恩恵に預かっているが、バックグラウンドでは一度人間の次元を超越しているんです

 

「2020年、何やってたら楽しそう!?」落合陽一氏と語る未来のクリエイティブ【連載:Tehuのトップクリエイター七番勝負】 – エンジニアtype

落合    小学生のころは「インターネットすげー」、「3DCGすげー」って感じでPCとか触ってました。ただ、僕が大学に入った2007年には、コンピュータインターフェース関連の研究って基本的にだいぶ成熟していたんですよ。

GUI研究はあらかた終わっていたし、プロジェクションマッピングが完成したのだって1998年。ARとかマルチタッチみたいに、iPhoneのアプリで今「先進的!」って言われて使われるような技術は、2001年ぐらいに基本的な研究は終わっている。

そこから先、何を研究すればいいのか、みんな分からない状況だった。ただ、1つの方針として、コンピュータが物理化してこの世界に出てくるというのが本質としてあり得るだろうという話はありました。

当時は、「3Dプリンタで世の中がどう変わるのか」という予測として、それでできた物体が動的になると考えていた。それでその物性を変える技術がホットになる時代が10年後ぐらいに来るから、そこを踏んでいくのがいいかなと思って大学2~3年のころから研究や制作を始めました。

 

落合 3Dプリンタもそもそも、けっこう面白い考え方で、自由度を上げると強度は下がって、コストは上がるんです。その場で新しい構造を原料を溶かして作るっていう自由度が一個上がっただけで、強度やコストの制約がすごく上がるんだけれど、それでも欲しいっていう人はいるんだよね。

それってすごく重要なことで、企画屋としては、「そんなコストが高くて脆いものを誰が使うんだ」って却下してしまう。

Tehu なるほど。

落合 でも、全員が全員違うものが得られることが、コストを超える瞬間がある。自由度を上げていったところに、欲しい人がいっぱいいるんだよっていうのが21世紀風の企画術だと思いますよ

 

 

以上です。

3Dプリンター事業をやっていると、ものづくり分野に目を向けてしまいがちなのですが、このようにメディアとして3Dプリンターを捉えた時の考え方がとても新鮮でした。

 

【金型・切削から3Dプリンター 】ではなく、【コンピューターから3Dプリンター】の順で捉えると、また違った発想が生まれてきます。

 

ビーイング・デザインという本にもありましたが、既成のメディアは身体に合わせて作られているため、本当は間違ったつくりをしているケースが多くあります。そのメディア装置の自在に操ろうとする試みが、めっちゃ面白いなーっと思いました。

 

また、仕事中に動画を見たりして、色々と学びたいと思います。

 

ちなみに、落合陽一さんのTwitterだとこの言葉が好きです。


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