これから3Dプリンターのフルカラー造形が変わりそうな予感がする

3Dプリンターのフルカラー造形に動きが?

ここ1ヶ月で、フルカラー造形に関わる2つのニュースが出てきました。

①ミマキエンジニアリングが1,000万色のフルカラー造形機種を発表

www.sankeibiz.jp

仕上がりが圧倒的に美しく、いろのノリが再現が凄いです。

通常のフルカラー造形ですと40万色のものが多いのですが、ミマキの3Dプリンターは1,000万色以上も再現。

仕上がりを見たのですが、マジでクオリティが高かったです。すごい。あと、アクリル系の樹脂素材なので強度もめちゃくちゃ高いです。

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ミマキ社は、今までの2Dの産業用プリントを行っていましたが、そこで培った印刷技術を元に3Dプリンター技術に応用したみたいです。

本体の機種価格は約1,700万円。従来のフルカラー石膏の機種と比べると倍くらいの価格ですね。

 

 

②XYZ社が30万円台のフルカラープリンターを発表

wired.jp

家庭用3Dプリンターの大手メーカー「XYZ」社がフルカラー対応の機種を発表。

名前は「da Vinci Color」、値段は3,000ドル(約30万円)から。日本での発売はまだ先だそうです。

本機種は造形の仕組みが凄いです。

従来のフルカラー造形は、インクジェット方式と呼ばれる造形方式が多く、着色データが付いた石膏を積み重ねていきます。「da Vinci Color」の造形方法はFDMで造形した樹脂素材にカラー着色を吹き付けるというもの。今までのフルカラー造形の概念を覆しましたね。

 

https://wired.jp/wp-content/uploads/2017/09/xyz_color2.jpg

ちなみに、フルカラーの着色は動画を見ても分からず…

www.youtube.com

 

これからの3Dプリンターのフルカラー市場が面白そう

XYZ社、発想がすごいですね。

実際の造形物を見てないのでなんとも言えないのですが、30万円の価格でフルカラー造形ができるのは革新的だなーと思います。

個人的に、30万円という値付けがいいなーと思ってまして、経営層でなく部長・課長クラスでも決定できるところがキモだなと思いました。

むかしの2Dプリンターでも、部長が購入できる10万円の価格設定をしたメーカーが成功したそうです。

 

数年前の3Dプリンターブームの時、ものづくり補助金でミドルレンジの機種が売れたのですが、これからは家庭用とミドルの間の機種が売れそうですね。

RaiseもForm2もよかったです。

 

フィギュア業界は変わる?

事業を始めた当初、よくフィギュア市場を見てたのですが、クオリティと価格面で事業としての障壁を感じました。

しかし、先日ミマキの造形物を見たのですが、クオリティが段違いで驚きました。なにより、フィギュア原型師が大きな可能性を感じているそうです。

 

また、色合いを出すのに、3Dプリンターメーカーよりも2Dプリンター会社が大きなアドバンテージを持っているらしいです。既存の日本企業が優位なので、ミマキのように日本発の3Dプリンターメーカーも増えそうですね。

 

 

そんなこんなで、フルカラー造形の市場。今後はプレイヤーとサービスが変わりそうですね。これから動向を細かく見てみます。


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株式会社メルタは、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどのサービスを運営しています。ライターの仕事も受け付けます。


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株式会社メルタの代表。 1991年生まれ。高校・大学とボクシングのサンドバックに打ち込み、新卒で入ったベンチャーが半年で倒産し、未経験の3Dプリンター業界で起業。 創業当初は「3人の株式会社」という社名にして怒られていました。目新しいサービスが好きです。