いろいろと気になった3Dプリンター関係の特許まとめ

ちょっと変わった特許

2013年、FDMやSLAなどの特許が切れて3Dプリンターのブームが起こりました。主要な造形方法以外に、どういう特許が生まれてきているのか調べてみました。

 

ユニチカ「眼鏡フレーム」

 

代表図面

【課題】個人の顔等の形状に応じて変形することが可能な眼鏡フレームを提供する。
【解決手段】眼鏡フレームは、3Dプリンターによる造型物であって、造型物は所定の三次元立体形状である眼鏡フレームの形状を呈し、かつ造形物は熱可塑性樹脂を主体として構成されてなり、造型物に30~50℃の温度を付与することによって造形物の少なくとも一部が軟化し自在に変形可能である。熱可塑性樹脂のガラス転移温度が30~50℃である。

 

筆者のコメント:

ユニチカ社といえば、温度によって変形するフィラメントを開発した材料メーカーです(過去に何度か取り上げています)。

ここでメガネフレームという新たな切り口を見つけていて驚きました。うまく使えばスキャンなどを行わずに自分の頭の形状に合った眼鏡がつくれるのかなー?と思いました。

 

過去記事➝ 販売店募集!温めるとぐにゃぐにゃ曲がる家庭用フィラメントが開発されました | 週刊ヤング3D

 

株式会社アフィット「接着剤」

【要約】
【課題】熱溶解積層方式の3Dプリンターにおいて、成形品の平面性が優れ、ダミー層を削り取る余分な作業をなくし、且つ、成形品の取り外し後は、接着剤の水による容易な除去性を実現する。
【解決手段】熱溶解積層方式の3Dプリンターにおいて、基板と成形品との間に使用する接着剤として、水溶性高分子ポリビニルピロリドンにグリコール類を添加することにより、ポリビニルピロリドンを可塑化し、弱い粘着性を持たると同時に、微小粒子を添加することにより基盤と成形品との接着力を調整することを可能にして、成形品の基板への接着性を確保し、且つ成形品の取り外し後に接着剤を水洗いにより容易に除去できる。

筆者のコメント:

この1年で多くの企業が、3Dプリント品特化の接着剤の開発に乗り出した印象があります。家庭用の3Dプリント品って材質や表面の粗さが独特なので、そこのジャンルは面白いですね。

 

 

南澤 肇「3Dプリンターの造形物定着法」

 

代表図面

【課題】熱溶解積層法による立体造型機で造形中の造形物の造形台からの剥離を防止する手段を提供する。
【解決手段】造形台4表面に、エクストルーダー2のノズルサイズ以下の円形断面の繊維状の材質を用い、エクストルーダーの2ノズルサイズ以上の間隔で編み込んだ編み目加工3を施すことを特徴とする。

筆者のコメント:

FDM方式で造形中に土台と造形物が離れる「あるあるネタ」を、造形台の表面を網目にして防ぐそうです。発想が面白いです。実際の造形シーンを見てみたいですね。

 

 

宗平 聖士郎「二次元印刷による三次元実像」

 

代表図面

【課題】 一般的なプリンターから出力できる印刷方法にて印刷した画像を三次元の実態像として表示可能にする。
【解決手段】三次元面データを渦巻座標に変換して透明印刷媒体に通常の二次元印刷を行い、二次元印刷面を渦巻曲面として巻き込み二次元データを三次元位置に復元して、印刷部位を三次元空間に固定させ、透明印刷媒体を透過する光により三次元実像を表す。
これにより特別な3Dプリンターを用いなくとも三次元データより視覚的な立体実像を容易に作成することが可能となった。

筆者のコメント:

3D印刷の技術じゃないのですが、一般的な2D印刷技術を3Dに表示するというもの。

これもどういった内容なんでしょう…。出願者が個人なのも気になります。すごいなー。

 

 

まとめ

「特許」という慣れないものを調べたら、とても疲れました。

また元気が出たら、主要3Dプリンターメーカーの特許や動向などもまとめようと思います。ゆるくがんばります。

 

ではでは!

 

 


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株式会社メルタは、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどのサービスを運営しています。ライターの仕事も受け付けます。


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株式会社メルタの代表。 1991年生まれ。高校・大学とボクシングのサンドバックに打ち込み、新卒で入ったベンチャーが半年で倒産し、未経験の3Dプリンター業界で起業。 創業当初は「3人の株式会社」という社名にして怒られていました。目新しいサービスが好きです。