出生前の赤ちゃんを3Dプリント。目が見えない人のために、自分の子供を確認できるサービスがポーランドで登場。

目が見えなくても赤ちゃんを確認できる

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自分の子供を3Dプリンターでフィギュアにするサービスはよく見かけますが、今回紹介するサービスは、生まれてくる前の子供を3Dプリントするというもの。

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ポーランドの企業が始めた「Waiting without barriers」は、盲目の母親を対象としたプロジェクトです。

これはお腹の中にいる子どもの姿を超音波で確認し、彫像や3Dプリントによってカタチにするというもの。本サービスは、目の見えないお母さんたちのために考案されました。

今までにも、超音波を使って生まれる前の子どもを3Dプリントするサービスはありましたが、知覚障害を持つ方々のニーズに注目したものはこれが初めてで、とてもすばらしい取り組みだと思います。

▼左から、超音波で確認できる赤ちゃんの画像、3Dプリンター、3Dプリントされた赤ちゃんのレリーフ

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他の類似サービスはほとんどが色付きで出力されるのですが、「Waiting without barriers」は色なしで出力されます。家庭用の3Dプリンターを利用するため、製造コストは大きく削減でき、低コストでサービスを提供しています。

▼実際の造形シーンはこちら

www.youtube.com

現在、サービスが提供されているのはヨーロッパのみです。日本から利用することはできませんが、国内の技術でも問題なく始めることはできそうですね。

本サービスに関するサイトはこちらから

Waiting without barriers – IN UTERO 3D

個人的にこういったターゲットを絞ったサービスは好きです。元ペパボ代表の家入さんもツイートしてたりします。

3Dプリンターで目の見えない人を支える

他にも、3Dプリンターを用いて視覚障害者を支援するサービスがたくさんあります。

触れる地図を作ったり、

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3Dプリンターで視覚障害者向けの触覚地図を持ち運び可能なノートサイズで出力するプロジェクト – GIGAZINE

ディスプレイを作ったり、

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3Dプリント技術を利用した視覚障害者のための触覚ディスプレイ | 3DP id.arts

写真や絵を立体にするサービスもあります。

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3Dプリンタで写真や絵を立体化——視覚障害者向け絵本製作サービスが今夏スタート | fabcross

3Dプリンターは製造現場で活用されているイメージが強いのですが、このように知覚障害を克服するための手助けとなるような活用事例もあります。

現在、知覚障害を持つ人は世界中で3億人近くいるそうですが、今回取り上げた例は、その方々の生活をサポートできる取り組みですね。今後のサービスの発展にも期待です。

■参考サイト

出生前の赤ちゃんを3Dプリンターで出力して目が見えない両親が我が子に出会える「In Utero 3D」 – GIGAZINE

Waiting without barriers – IN UTERO 3D


画像の説明文 <運営元情報>
株式会社メルタは、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどのサービスを運営しています。ライターの仕事も受け付けます。


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株式会社メルタの代表。 1991年生まれ。高校・大学とボクシングのサンドバックに打ち込み、新卒で入ったベンチャーが半年で倒産し、未経験の3Dプリンター業界で起業。 創業当初は「3人の株式会社」という社名にして怒られていました。目新しいサービスが好きです。