ものづくり企業における強い組織の作り方を考えてみる

いい会社をめざそう

3Dプリンターという、すこし特殊な業界で会社を立ち上げて2年半が経ちました。まだ小さい会社ですが、良いプロダクトやサービスを作ろうと日々邁進しています。

僕自身、社会人経験がほとんどないのであれなんですが、この業界の会社って、よくあるベンチャー企業とは毛色が違うなーと感じています。さて今回は普段と趣向を変えて、“ものづくり分野で組織をうまく運営できている会社の共通点”について書いてみようかなと思います。

※ものづくりは、広義でのものづくりではなく、実際にモノを作っている製造業を指しています。

 

https://3.bp.blogspot.com/-3HDXigbSzn0/VufYKJTLlrI/AAAAAAAA42k/pKG9XppnqPgdCSC67cNn-E7SzsdudJ02w/s500/caste_company.png

 

新規採用にコストをかけるよりも、社員が辞めない経営努力をする

一般的な総合職と違い、ハードウェアのスキルを持った人って凄いレアです。

製造業では、「入社したら3ヶ月で即戦力になれる!」という話もあまり聞かず、むしろ手を動かして長く仕事を続けている人がエース人材になったというケースが多い印象を受けます。

なので、人を雇用することにコストをかけるよりも、入った人が辞めない会社を目指す努力をする方が合理的に感じます。弊社においても、社長が社員みんなのマイナンバーを管理しているので、なかなか辞めにくいような環境下にあります。

 

商品開発のために天才を見つける

3Dプリンター業界を”ものづくりから販売までを一貫して行う業界”という風に捉えるならば、少なからずコンテンツ産業にも位置すると思います。

そして、コンテンツ産業で大きく成長したと会社は任天堂で、おそらく「任天堂」で、同社はどこよりも天才の人材を見つける力が凄いと感じます。

「光線銃シリーズ」などの多くの玩具ヒット製品を作り出した横井軍平、「マリオ」を作った宮本茂などの天才によって同社は大きく飛躍しました。任天堂の山内社長は、この2人を「えっ?なんで!」と思うタイミングで見つけて重要な役職に抜擢しました。

任天堂には、”この領域は、100人の凡人よりも1人の天才”という言葉がありますが、当時実績も何もない2人の天才を見出した山内社長は、やはり偉大だなと思います。

http://cdn.buzz-plus.com/wp-content/uploads/2015/12/b-d-740x416.jpg

この領域で優れたプロダクトをつくろうとすると、天才タイプの人を抱えられるかどうかが大きなポイントかと思います。弊社でも時たまふざけたサービスを出すのですが、そのおふざけに釣られて変な人が集まるという思いがけぬ効果があるのでオススメです(完全に後づけです)

ちなみに、オモコロで電子工作の記事を書いて活躍しているマンスーンさんも30歳近くまで無職だったそうです。

 

自発的にアイディアを出せる環境がある

近年、大手製造業や家電メーカーの凋落のニュースが飛び交っていますが、事業がうまくいっている大手企業の傾向として、定期的にヒット製品を作り出していることが挙げられます。

WEBですと、FacebookやPixivのサービスのように、企業が場を提供し個人がコンテンツを生成する仕組みが登場してきましたが、ものづくりの分野では企業が一貫してモノを作って売るというケースが多いです

先程は、”良い製品をつくるように天才を見つける”という内容を述べましたが、他の手法として、個人のスキルに依存せずにアイディアが枯れないようにする仕組みも大事かなと思います。

知り合いの会社には、社員がつくったプロダクトをSNSで配信し、1イイネに対して100円が支給されるルールがあります。これによってモノを作るモチベーションや文化を作りあげています。

周りの良い会社を見渡しても、アイデアが自由闊達に交わされ、それをトップがどんどん拾い上げていくというような組織を築いているように感じます。

ジャパネットたかたのようなマーケッター

3Dプリンターを使った商品で売れているサービスの共通点として以下の2つがあると思います。

①作品のメッセージ性を押し出している

②パッケージにこだわっている

 

僕の周りの実際に売れた3Dプリント商品を思い浮かべても、多くがこの項目に当てはまります。

 

▼個人メイカーが販売しているコスプレの小道具

https://licensecounter.jp/3d-fab/2017/03/17/42_3.jpg

(画像出典元:コスプレ造形師が『好き』を『仕事』につなげた原点とは? – 3D Fab|新しいデザイン、ものづくりを紐解く

 

▼EncodeRing

https://encodering.com/assets/images/concept/package.png

Encode Ring – 声で作る、世界に一つのオーダーメイドメッセージリング

 

これらの商品は、制作背景利用シーンなどを事細かく説明しています。

そして、ジャパネットたかたは、徹底的に工夫を凝らして商品説明を行っています。更に言うと、ITに特化しようとしないというのも特徴かなと思っていて、ネットに完全にはシフトせず、販売者の顔と声が消費者に直接触れるテレビというメディアを使い続けています。

上記の2つのプロダクトも、ニコニコ動画、ブログ、リアル店舗など、他のプロダクトと違った販促を行なっております。3Dプリント製品は高付加価値商品が多いので、このように売り込み方をこだわれるタイプの人がいるといいですね。

多分、ジャパネットたかたには、3Dプリンターの販売をやらせてもうまくいくと思います。

ビジョンを狭める

以前、先輩社長とご飯に行った時に、「飲食店のビジョンは、大きくなるほど”人を幸せにする”などと、口当たりが良いことを言って全体的にモチベーションを高める施策をとってる。逆にプロダクト中心の会社では、特化型の人材をとるためにビジョンを狭めるようにしている」というような話をしていました。

その時の僕は、SMAP解散のニュースで頭がいっぱいだったのですが、今思えば、その先輩社長は良いことを言ってたように思えます。

 

日本を代表する製造業の会社のビジョンは的を得たセンスのいいいものばかりです。

 

ソニー

テクノロジー・コンテンツ・サービスへの飽くなき情熱で、ソニーだからできる新たな「感動」の開拓者になる。

キャノン

世界をもっと、あざやかに。

ブリジストン

業界において全てに「断トツ」

JMC

この国のものづくりを置き去りにする

GateBox(ものづくり企業かどうかは置いといて)

次元を超えて、逢いにくる 

 

 

オッチャンがいる

ものづくりのベンチャー企業が、会社の成長段階で、社長よりも二回り上の人を入れて伸びた!という話はよく聞きます。

金型や製造機器の仕事はめちゃ属人的で、ノウハウを貯めている人を仲間にするのが全体のスキルアップになります。

良い組織は、事業構想と技術とのズレを上手く摺り合わせているように思えます。IT業界では先端技術に関するスキルを持った人が強いですが、ものづくりの場合はノウハウを貯めたおっちゃんが最強だったりします。

単純に覚える情報量が多いのと、失敗データの数が製品開発の大きなノウハウになるので、経験数がこなした人をいれるといいと思います。

▼なんかの漫画のどっかのシーン

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/k_kushida/20150910/20150910183621.jpg

 

会社のスピードとスケール感を認識する

ここ数年で、3Dプリンター界隈で1~2年で大きく成長した会社はあまり聞きません。昨年はJMC社が上場しましたが、やはり創業から20年以上の時間を費やしました。

最近ですと、Delyという料理動画メディアの会社が創業2年で30億円の資金調達をして、個人的にすごいなーと思いました。社長が自分よりも年下だったので少なからず焦燥感もありましたが、多分勝負しているゲームの土俵が違うんだなとも考えました。多分、指数関数的にスケールするIT業界とは構造が違うのかなと感じます。

ものづくりでは、数年でバイアウト!というゴールは実現しにくいのですが、10年で年商10億円とかが起こり得る世界だと思うので、それはそれで良いのかなと思います。

周りで、IoT製造の受託を数年行い、ノウハウを貯めた後に自分でロボットを作り出した会社の事例もありますし、やはりIT業界とものづくり業界と比べて会社の規模拡大の道筋が違うケースが多いですね。

長い距離を走るのか、短距離を最速で走るのかでメンバー構成も変わってきます。どちらが魅力的なのかは個々の価値観ですが、創業メンバーでここのズレがあると大きく失敗するような気がします。

 

いい人が得をする

顧客からサプライヤーまで対面営業を行うケースが多いです。ネット完結で伸びるサービスでは、社長の性格がクズでもあまり表面化しませんが、ものづくりは必然的に顔を合わせる回数が多くなります。

あと、社内においても、同じ空間でそれぞれに手を動かして作業している時間が長いので、一緒に仕事をしていて楽しい人といるのがいいように思えます(こう書くと、とてもアホっぽいですが)

深センのSeeed studioという会社を紹介する動画で、「社長は純粋にものづくりが好きだし、お金を稼いでもベンツに乗る人物じゃないから顧客メイカーに尊敬されている」と言われていました。メンバーが信用されやすいというのが大きな強みになるかもしれません。

うちの会社のメンバーも、野良猫を蹴り飛ばすのが趣味な人が多いのですが、人前では猫被るようにしています。

 

最後に

保険をかけるようで嫌なのですが、”成長する会社に共通点はない”という前提はありながらも記事を書きました。一匹狼をロゴにしている会社が成功していますし。

あと、ものづくりの定義を少し広げてしまった気もするのですが、まぁゆるいブログなのでそのあたりは適当にみてください。

http://2.bp.blogspot.com/-jC_44g4M45s/VcMmM2ysxWI/AAAAAAAAwec/r0rl0gfHcRU/s400/internet_mono_things.png

長々と書いてきましたが、なんだかんだ良いものを作って売る会社は社員が入りやすく強い組織になると思います。

個人的にも良い会社メンバーで良いプロダクトを作れるように努力したいなーと。なんだかんだファイナンスや社長のハッタリで伸ばすよりも、良い製品を作ることが一番の近道かなとも思いました(知らんけど)

 

今回の記事は、めずらしく「組織」というテーマを取り上げました。少し前に弊社で人材募集を行ったのですが、自分自身がどういう人材を求めているのかが不明確だったなーという反省があり、その自戒を込めて書いてみました。

ただ単に、優秀な人を探すというのは極めてミクロな視点で、強い組織をつくるためには長期的でマクロな視点から考え、逆算して人を入れるようにしてみます。

 

弊社においても、代表がよく怒られたりするのですが、特にこれといった大きな喧嘩をせずに2年がすぎました。社員同士も(一部を除いて)尊敬し合える人ばかりなので、そこはウチの会社の強みかなーと思います。

個人的な目標としても、(一部を除いた)創業メンバーみんなで上場の鐘を鳴らせればいいなーと思います!ではでは!

http://3.bp.blogspot.com/-d6nvtTFAgnA/VixBoN3UP2I/AAAAAAAA0Do/r5jwpNb7NB0/s500/nomikai_nigate_business.png

 


<運営元情報>
X人の株式会社は、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどをサービスを運営しています。