広島の3Dプリンター事情について話を聞いてみた/中山しんいちろう リデスタ

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3Dプリンター事業者に話を聞こうシリーズ

浜松町にある3Dプリンター事業者に特化したコワーキングスペース「STL」そこの恵まれた場所とコネを活かし、業界人に話を聞く企画を行っています。

今までの取材記事はこちら。

第一回⇛「3Dプリンター業界の需要でなく供給サイドを変えていきたい」吉田 賢造/株式会社スマメ【前編】 | 3D NEWS

第二回⇛「試作市場でない新たな市場を切り開きたい」久米原 勝/株式会社アイジェット【前編】 | 3D NEWS

第三回は、広島でアクリルの3Dプリントサービスを行っているリデスタ様にお話を伺いしました。今回、STLオフィスに来ていただくのが困難だったため、Skypeで連絡をしました。早くも“STLオフィスで話を聞く”というコンセプトから離れてしまいましたが、そこは突っ込まずに記事を見ていただければと思います。

リデスタ社 プロフィール

1993年 測量事業創業 2013年3Dプリンターを導入し関連サービスを開始する。

広島県のスポーツ関連団体(広島東洋カープなど)や企業様とのコラボなど、幅広い3Dデータ作成、3Dプリントアウトサービスを行う。

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X人の株式会社(以下、X人):今回は初めてのSkypeによるリモートでの取材です。早速ですがお話を聞かせていただきます。取り組んでいるテーマについてお伺いできますか?

中山しんいちろう(以下、中山):広島に関連したものづくりだったり、コミュニティを作ることに力を入れています。地元の大学と積極的に協業していきたいと考えています。

X人:東京ですと、芸大とコラボする動きは多いですよね。

中山:それを広島でも行いたいと思います。実は地元だけでの売上って小さいんですね。リピートは地元が多いのですが、大きな案件は都内だったりします。

直近での取り組みでは、地元での売上を増やしたいと考えています。具体的には、地元で2Dから3Dに移行できていない会社に対して中繋ぎを行ったりしています。

▼アクリル樹脂f:id:osic:20160906122854j:plain

スペックの高さならHD3500

X人:なるほど、それは大きな働きですね。貴社で保有しているProjet HD3500の3Dプリンターを導入した理由はなんですか?

中山:社長の考えですが、中途半端なものを入れないという想いがあり、スペックが高い「HD3500」の機種にしました。導入時点で、1番細かい積層ピッチだったのと、後処理がラクであることが決め手となりました。

さらに導入した経緯を遡ると、元々、弊社の事業では「測量」をやっていまして、3D測量というサービスを業界内で先駆けて行っていました。3Dに対する知見がありましたので、3Dプリンターブームが起きたタイミングで、機材を導入しました。

▼HD3510PLUS(3D Systems社)

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3Dプリンター関連では珍しく女性が多い会社

X人:全く畑違いだったわけでなく、ある程度会社に知識などの地盤があったんですね。あと、社風についてお伺いできますか?

中山:一言で言うと自由ですね! 首輪だけされて放されている犬みたいなイメージです。

X人:例えが凄いですね! そんな自由な会社ですが、気をつけていることはありますか?

中山:納期を守るところです。お客様の要望は、なるべく「できない」と答えないようにしています。

X人:いきなりブラック企業な感じになりました。 それにしても、リデスタさんの社員は女性が多いですよね。すごい珍しいなーと。

中山:確かに女性が多いです。会社本体としては技術関係やエンジニア関係の人が多いですが、3D事業に関しては僕以外の4名は全員女性です。

X人:羨ましいです。下心はないんですか?

中山:僕は結婚しているので、そういった感情は特に無いです。

X人:それは残念ですね。女性が多いのは偶然なんですか?

中山:たまたまです。粘り強くCADを触る作業が女性に向いているかもしれません。それが大きいですね。

X人:会社メンバーの仲の良さはどうですか?

中山:非常にいいと思います。飲みに行ったり、かなり良い雰囲気です。5人の株式会社はどうですか?

X人:弊社も仲がいい会社だと思います。年に一度みんなで飲みに行ったりします。

中山:それは仲がいいのか分かりませんが。

X人:最近ですと、弊社メンバーの山本を「神様」と呼ぶ遊びも流行っています。神様と呼ぶと、神様っぽい受け答えをしてくれます。

中山:謎な遊びですね。

▼仕事風景

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部屋の温度は常に28度

X人:自社の強みは何ですか?

中山:柔軟性と事前準備です。3Dプリントで仕事の幅を広げつつ、しっかり案件をこなすように努力しています。

X人:柔軟性といいますと、具体的にどんな感じですか?

中山:お客様としては、製造工程の中で問題があって3Dプリンターを利用したいという方がほとんどだと思います。3Dプリンターを使うことで問題がクリアになるということを、分かりやすく示唆することが自分たちの役割だと思っています。案件によって、問題の解決策を提案する柔軟性が大事かなと。

X人:一般的に、HD3500の機種を使う用途としてフィギュア原型が多いと思うんですが、少しだけ変わった切り口ですね。元々あった「測量」の知識を使って、他の製造分野で活かしている感じなんですね。まるでアクリル樹脂のような柔軟性だと思います。

中山:そうですね。アクリル樹脂は固いですけど。

X人:では、事前準備に関してはどうですか?

中山:3Dプリンターのメンテナンスにかなり気を使っています。自分が元高校球児だったので、メジャーリーガーのイチロー選手と同じように、事前準備は大切だと考えています。何か問題や違和感があれば、すぐにメンテナンスするよう心がけています。室内の温度設定も常に28度ですし。

X人:凄いですね。

▼最終品として、アクリル樹脂で造形した犬の模型を手塗りで塗装する仕事も。

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通行人の中に3Dプリンター好きはいない

X人:3Dプリンター業界の課題点についてお伺いできますか?

中山:お客様がニッチすぎるところです。少なくても、通行人の中にはいないじゃないですか?

X人:通行人の中にはいないというのは、斬新な言い方ですね(笑)

中山:次にお客様を捕まえても、価格や納期など、3Dプリンター自体に問題があったりしますので、本当に刺さる層は少ないかなと。

ニッチな業界ですが、事業は続けていきたいと考えています。一度サービスをやってしまったので簡単に離れられないです。パソコンと一緒で、今後は3Dプリンターも良い物がどんどん安くなるはずなので、その時期までどうするかだと考えます。

X人:その時期を見据えて、取り組んでいきたいことはありますか?

中山:色んな人に3Dプリンターのことを知ってもらいたいと思います。例えば、3Dフィギュアに関しても、みんな知らないだけで触ってもらえれば喜んでもらえると思います。現在、弊社では広島カープのフィギュアを作ってるんですが、これは認知度が高くないだけで、買った人の満足度は意外と良いんですよ。

X人:啓蒙活動に取り組んでいる感じですね。少し軸をズラして質問します。もし100億円あったら何に使いますか?

中山:あくまで個人的な欲望ですが、広島東洋カープの球団買収に使いたいです。あ、やっぱりこれNGでお願いします。

X人:「寄付」という感じですか?

中山:そうですね。カープに「寄付」したいと思います。

X人:ちなみに好きな野球選手は誰ですか?

中山:長野です。

X人:巨人じゃないですか。

中山:是非、広島に連れて来たいです。広島だと丸という選手が好きです。

X人:僕も丸は好きです。

▼巨人の長野選手

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海外から”一時期話題になった例のあれ”を作ってほしいという依頼が

X人:今まで受けた案件で印象に残っているものはありますか?

中山:受けた案件ではないのですが、海外の人からいきなり“ピーーー”を作ってほしいという問い合わせがきました。勿論、断ったのですが、額も大きく驚きました。

X人:それはグレーですね! 楽しげな案件はいかがでしょう?

中山:ジュエリー関係の案件です。3Dプリンターの最終製品として良いテーマだと思います。

▼3Dプリンターで作られたジュエリー(画像提供元:http://3d-printer-japan.blogspot.jp/2011/09/projet-cpx3000nhktv-10322252250-nhk.html

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ものづくりが簡単にできる場所があれば

X人:なるほど。3D関連で、好きなサービスはありますか?

中山:サービスではないですが、Fablabなどの施設などには関心があります。ものづくりが簡単にできる環境が整うことで、社会にどのように作用するか興味があります。僕は静観しているだけですが。

X人:いいですね。

中山:東京はそういったイベントや場所が多くて羨ましいです。最近ですと、アダルトと絡めたVRイベントとかも面白そうだと思いました。

X人:僕達も行こうとしました。結局、イベントが中止になって行けなかったのですが。

中山:神様(山本)はどうなんですか?

山本:自分は全知全能なので、そんなイベントに行かなくてもオーガズムに達することができます。

中山:そうなんですね。

X人:ありがとうございました。

インタビューまとめ

  • 大学と連携して地域密着の取り組みをしたい
  • リデスタ社は、女性メンバーが多い
  • 3Dプリントサービスは、メンテナンスが重要
  • 認知度が高くなればサービスの利用者は増える
  • HD3500の機種がスペックが高くオススメ
  • 神様は全知全能なので、VRに興味はない

まとめ

広島で3Dプリントサービスを行っている会社からは、まるでアクリル樹脂のような柔軟な考えを感じました。

今回はSkype取材なので、STLのオフィスは特に活躍していませんが、Skypeをサクサク使えるような快適なネット回線があります。引き続き会員も募集しています。オフィス見学などにもお気軽にお越しください。

fabcross.jp


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