プリンター事業者に話を聞こうシリーズ
浜松町にある3Dプリンター事業者に特化したコワーキングスペース「STL」
いつもは業界カリスマたちに話を聞くという企画ですが、今回は番外編で、飲み会での雑談です。3D界隈の裏話や本音トークを聞いてみたいと思います。
※終始、身内感が半端ないんですが、ご了承いただければと。
■参加者
・久米原 勝(ijet社 代表)
・角村 嘉信(Mikan代表 3DwaveやPetfigなどを運営、X人の株式会社にも所属)
・濱中 拓郎(X人の株式会社 代表)
▼左から角村くん、久米原さん。
飲み会の前に
X人:STL取材の番外編で、入居者で飲むという企画を始めてみました。そういえば、久米原さんと角村くんが話すのって、これが初めてじゃないですか?
久米原:そうだね。前からすごい話したかったんだけど、ちゃんと話したことはなかった気がする。
角村:緊張してます。
▼刺盛り(本日お造り盛り合わせ1人前580円。写真は3人前。)
「3Dプリンター関連で人気の活用事例は、ペット、遺産、ラジコン」
X人:2人に共通しているのは、ペット事業に関わってますよね。角村くんは、Petfigを出して、久米原さんはペット造形の依頼を多く受けていますよね。今、3D界隈で1番売れてる商品はペットフィギュアなんですかね?
久米原:いや〜そうでもないよ。ペット造形は、ウチでの売上比率からいってもそんなに大きくはないと思う。
X人:角村くんのところのpetfigはどうなの?
角村:かなり売上は立ったけど、僕のところは1人で回してるし、そんなに大きな事業にはなってなかったかも。
X人:あれ、意外と違った。笑
久米原:Petfigは、角村くんのデビュー作だったね。最初に角村くんを見た時は、只者じゃないなって思ったもん。何しでかすか分からない感じがした。
角村:ありがとうございます。
久米原:当初のペットフィギュアの注目度は半端無く、色んな人からPetfigを引き合いに「ペットフィギュアサービスやらないんですか?」と言われまくった。あれは学生がやってるサービスですから。と納得してもらいましたが。
X人:凄いですね! ちなみに、角村くんがやっているモデル制作サービスで人気の分野ってなんなの?
角村:有名な遺産を3Dスキャンとかでデータを残すというのは多いかな。最近は、ARやVR用のデータ作成や、Unityで使いたいみたいな要望が増えたと思う。聞いた話だけど、海外のマーケットプレイスはラジコンパーツとかが人気商品みたい。
X人:ラジコン! 渋いな。
▼Petfig(ペットの写真をフィギュアにするサービス、GIGAZINEなど多くのメディアに掲載されて注目を集めた。)
「日本市場は品質にこだわりすぎて、3Dプリンターを使わない」
X人:海外市場ってどうですか?
久米原:海外は超可能性あると思うよ。濱中くんのところはいかないの?
X人:うちはまだですね。海外の会社に造形依頼をしたいなーとは思っているのですが。
久米原:需要側としても海外のほうが圧倒的に市場がデカイよ。これだけ3Dプリンターが流行らないというのも日本ならではだと思う。
X人:日本は、ちょっとした工夫や営業次第で売れるけど、海外だとかなりメインストリームをいかないとダメかなという印象があります。
久米原:語弊があるかもしれないけど、海外は”雑”というのが特徴としてあるかも。良くも悪くも品質にこだわらないというのが大きい。日本だと、品質にこだわりすぎてて10ミクロン以上の3Dプリンターとか、あまり使いたがらない。
X人:なるほど。グローバル化に向けてアイジェットさんが力を入れている分野ってどこなんですか?
久米原:プリンターだとあれなんだけど、世界で共通的に使われる3Dデータに力を入れているかな。あれもコミュニケーションとして活用できるし、日本でつくったものが世界各地で製造できるところに夢があるじゃん。
角村:それはいいですね。
X人:個人的な考えとしては、3Dプリンターはコミュニケーションツールとして使われてる感じがしますよね。
日本は単一民族だから2D図面と日本語だけでやり取りできるけど、米国だと色んな民族がいて多言語の文化なので、ノンバーバルなコミュニケーションが求められて3Dの価値があると思います。なので、海外だと可視化しやすい3D技術が普及したかと。
久米原:それはあるね。あまり言葉を介さなくていいし。あと、最初から海外のデザイナーにアウトソーシングしていた角村くんはカッコイイよね。
角村:ありがとうございます。
X人:もう少し話せよ。
▼まじまじと聞いている角村くんと、小さなろくろを回している久米原さん
「サービスを出す前日は泥酔するまで飲む」
X人:久米原さんも角村くんも、今まで数多くのサービスを出していますよね。どんな感じでいつもサービスを出しているんですか?
角村:僕はサービスを出す前は超怖いんですね。考えて出すまでは早いんですが、出す前日はベロベロになるまで飲んでしまう。反響が怖くて仕方ない。
X人:角村くんのサービスは狂気的な何かを感じる。
久米原:俺としては、サービスに”念”がないとあまり成功しないと思う。大体、社長のコンプレックスからサービスや事業とかから大きくなる気がする。
X人:ウチの会社メンバーの傾向としても、コンプレックスのある人が多いかも。結構、1~3月生まれの人が多いかも。大体子供の頃目立たないケースが多いし。
久米原:僕も2月生まれだし、意外とそうかもしれない。
X人:今まで3Dプリント事業を続ける人も、3Dプリンターが叩かれた時期を乗り越えて成功している人が多いですよね。事業を続ける上で、コンプレックスというのは大きなカギかもしれません。
▼豚肉の茶しゃぶ(1人前1,280円〜。写真は2人前。)
「メディアの発信を通じて、自分が思ったことを共感して欲しい」
久米原:それにしても、濱中くんの書く記事は意外と面白いよね。5人の株式会社もメディア(3D NEWS)に注力したらいいのに。id artsさんとは違った路線で、ガチで運営してみたら?
X人:ありがとうございます! 多分メディアに注力はしないと思いますが(笑)趣味のレベルで続けようかなと。僕自身は、記事作成の骨組みや基礎はまるでないんですけど、パクチーみたいな調味料のような役割を果たしている感じですね。
久米原:あと、角村くんのオウンドメディアも面白い。3Dプリンターのオウンドメディアで唯一成功してるんじゃない?あと、個人的には角村くんのTwitterも好き。(角村くんのTwitterはこちら → 角村嘉信(@kurumi_1018)さん | Twitter)
X人:そういえば、僕と角村くんとの出会いもTwitterでしたね。
角村:自分の中では、メディアの発信を通じて、自分が思ったことを共感して欲しいかもしれないです。あと、自分が人間として間違ってないというのを確認したいのがあるかも。
X人:ちょっと何言ってるか分からないです。
X人の株式会社の社長不在説
久米原:ちなみに、STLのオフィスに入って、なんか変わったこととかある?
X人:驚いたことはあります。ちょうど3日前なんですけど、アイジェット社の社員に、僕が社長だと思われてなかった。普通に仕事してたら、「なんで濱中さんが社長席なんですか?」って女性社員に言われまして。
久米原:それは逆に濱中くんのいいところだね。
X人:この前も銀行系の人と打ち合わせしてて、僕がお茶出しをしたら爆笑されました。
ポケモンGOと3Dプリンター
X人:少しお酒が回ってきましたけど、3Dプリンターって今後どうなると思いますか?ベタな質問ですか。
角村:何で作るかは全然どうでもよくて、何が作られるかがキモかと思う。
X人:なんかそれっぽい。
久米原:今後、3Dプリンターって名前は徐々になくなるんじゃない。最近、ポケモンGOが流行ったけど、あれも「AR」って言葉は完全になくなってるよね。
昔は、「ARで作ったセカイカメラ」という売り出し方だったけど、今は、ARのサービスにARの言葉がついてないのが興味深く思う。よくニュース記事で挙がってくる「3Dプリンターで作られた」という一文が、今後はどんどん減っていくかもしれない。
X人:今後、さらに世の中に溶け込んでいく感じですね。
▼このタイミングで運ばれてくるケーキ
▼突然、開催された角村くんのサプライズ誕生日会
久米原:お誕生日おめでとうございます。
X人:おめでとうございます!
角村:ありがとうございます。めっちゃ驚きました。すごい嬉しいんですけど、僕の誕生日、2ヶ月後なんですね。
X人:それでもめでたいな。
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そんな感じでお開きとなったSTL飲み会。
かなりの金額だったのですが、久米原社長にごちそうしていただきました。
改めて、そんな3Dプリント事業者の素晴らしい話が聞ける場所は、浜松町のSTLというコワーキングスペース。見学・飲み会は自由ですので、是非お越しください!
また、こんな素敵な誕生日会をしてくれるのは「茶の庭」。
料理も大変美味しく価格もリーゾナブルなので、浜松町で飲みたい際は是非ご利用下さい。
(終)
<運営元情報>
株式会社メルタは、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどのサービスを運営しています。ライターの仕事も受け付けます。