激論、朝まで3Dプリンターの未来について語ろう!
本企画は、3Dプリンター事業者を集めて討論する会です。
某番組を色々とパロディってますが、そこらへんはスルーしてください。
ルール
- いくつかのテーマに沿った見解を回答
- 身内ネタはNG
- 喧嘩をせずに楽しくやりましょう
参加メンバー(敬称略)
内野、濱中:4人の株式会社の創業メンバー。3Dayプリンターなどのサービスを運営。今回は慣れないMCを務める。
清水 篤彦:オンデマンド製造サービスを運営する株式会社カブクのCBO/事業執行役員。
吉田 賢造:株式会社スマメ代表。千葉生まれの沖縄育ち、3Dプリンター好きそうなやつは大体友達。
西村 大:野良メーカー。ニコニコ技術部員、だいたい何でも作れる。
久米原 勝:株式会社アイジェット代表。最年長として貫禄を見せられるか?
本企画にあたり、知り合いの暇そうな3Dプリンター事業者に集まってもらいました。
X人:とりあえず乾杯しますか。
みんな:かんぱーい!
フードプリンターの活用方法について
画像出典元:1万円のチョコレート3Dプリンターが登場! | 3Dプリンター 家庭用なら、3D CAD DATA.COM
ピザ、チョコ、砂糖、クッキー、フードプリンターなど、様々な食べ物を立体出力することができるフードプリンター。
まだまだ日本には馴染みの浅い分野ですが、海外では宇宙食やレストランなどで活用されてきています。
これから一体どういった場面で使われるのか?
吉田:では、僕からいきます。フードプリンターの良さは、イラストのような複雑(?)なデザイン形状でも作れるということですね。
あと、「個食」という観点もありますね。人によって食べる食感や味に多様性を出せるところがいいと思います。
X人:分かりました。では、次の方、お願いします。
吉田:はええよ!!
X人:時間がないので、先進めます!
内野:僕は栄養の操作ですね。材料が全てペースト状なので、ビタミン剤などを入れられることが重要なのではと思います。フードプリンターによって、めちゃくちゃ栄養価の高いハンバーグとかも作れるのがいいかなと。
清水:貧困問題の解決ですね。
みんな:おおー。
清水:例えば、アフリカにボランティアしに行っている人の数はどうしても限られるのですが、機械があれば勝手に食料が出てくる環境を作れます。フードプリンターで作れるものって富裕層には確実に向いていないので、貧困層の方が刺さるんじゃないかと思います。
吉田:流石ですねー。
X人:いきなりIQが上がった。
西村:僕はこれですね。
内野:吉田さんと被ってません?
西村:ややネタ気味ですが、ちゃんとしています!
知ってる会社で、手作りで立体ケーキを作っている店があるのですが、人気があって1日で1個しか作れないんですね。それがフードプリンターなら大量に作れるんじゃないかなと。
あと、スライム型のケーキとかつくるのって難しいのですが、そういった対応もできるのが良いと思います。
追記:ほかにも「不要」という回答が挙がりました。
こんなフィラメントは嫌だ!
画像参照元:UP純正ABSフィラメント | 日本3Dプリンター株式会社
近年、ビールや片栗粉、ゴミまでをフィラメントの原料として使われてきています。
そんな中、みんなが嫌がるようなフィラメントとは?
内野:討論じゃないの?ただの大喜利やん。
西村:このとおりです。
西村:直すのに死ぬほど苦労しました。
X人:マニアックな回答だ。
吉田:少し危ないところ行きますが、ズバリ「純正品」かと。純正品はメイカーのエゴなので、本当はユーザーが自由に選択するべきです。
西村:俺は純正品をつかったこと一度もないです。
内野:個人的には、断面にメーカーのロゴが入っているフィラメントとか嫌ですね。
X人:なるほど。露骨な企業アピールですね。
カーボン3D社は、なぜこんなにお金を集められたのか?
画像参照元:液体で超速3Dプリント!? カーボン3D社の衝撃の新技術|@DIME アットダイム
3Dプリンター界の期待の星「カーボン3D」
Airbnb、UBERのようなイケイケドンドンなスタートアップ企業として注目を浴びています。
新しいClip方式の造形方法を用いて従来の何倍ものスピード造形を可能に。そんなカーボン3Dが100億円以上も調達できた理由はなんなのか。
X人:今回の話題は資金調達がテーマです。今、カブク社さんも9兆円ほど調達していますよね。
清水:9.5億円です。9兆円って国家予算じゃないですか。
X人:個人的に、100億円は集まり過ぎじゃないのかなと思います。何をもって単体のメーカー機種にそんなに出したんでしょうか?
吉田:はい、私が思うのに「スピード」です!スピードの次元が変わったというのが調達に繋がったのではと。
X人:「ピリオドの向こう側」とかカッコよく書いてますが、言ってることはシンプルですね。
西村:僕は材料費だと思います。金属よりも安く、軽量で、そこそこ頑丈で良いよね!
内野:最近、家庭用3Dプリンターを触ってみて思うのが、速さが早くなったらデカものが作れるし、早ければ細かな積層ピッチでも対応できます。
つまるところ、3Dプリンターって“積層の速さ”が全てに直結するんですね。最終的に積層のスピード勝負になるので、カーボン3Dに圧倒的に優位性があるのではと。
清水:まずは紫外線硬化樹脂を使っているところです。あと、一番のポイントは全てのファクターが実証されたところじゃないかなと思います。今までのエンタメの領域だけではなく、金型などの分野に使えるということが実証・実験を行って、繰り返して実用化できるというところが分かったからこそ、事業会社がお金を出したかと思います。
VCではなく事業会社がお金を出しているのは、そういうことなんだろうと思います。
X人:ちょっと詳しすぎるのですが、ググりました?
久米原:いわゆる「シンギュラリティ」です。今までの積層造形とは別物じゃないかなと。
久米原:たとえば、むかしヤフー社が出した「さわれる検索」という音声検索と3Dプリンターを組み合わせたサービスがあるのですが、現実的にはコンセプトで終わっています。積層のスピードが上がったことによって、こういったサービスの多くが実現できるのではないかと思います。
X人:なるほど。3Dプリンターのシンギュラリティを超えるのですね。
西村:そもそも、なんで「カーボン3D」って言うんですかね?
清水:名前がカッコイイからじゃないですか?
X人:なるほど。
内野:そんなアホな理由なんですか?
メイカーボットの未来はどうなるのか?
画像参照元:メーカーボット製3Dプリンタの販売を開始 « アルテック株式会社
ここ数年、3Dプリンターメーカーは買収に次ぐ買収で寡占市場に。大手のメイカーボット社もリストラや赤字というネガティブなニュースが。
これからのメイカーボット社の未来はどうなるのか?
X人:これは西村さんの得意分野ですね。1人で数台持ってますもんね。
西村:はい。まずは、とにかくメイカーボットを信じろよお前ら。メイカーボットはこれから良くなるから!あと、このメイカーボットのMiniの機種はマジで良いから買ったほうがいい。
X人:ブレないところがスゴイ。
吉田:そもそも3Dプリンターの機種とユーザーの関係って、宗教のような結び付きがあるので、メイカーボット社は西村さんみたいな信者を社員に入れたほうが良いと思う。
▼メイカーボットの機種
清水:僕は「使い手次第」だと思いますね。現状、追いついてないと思います。
西村:いや、違うね!
清水:西村さんのような方ばかりじゃないから、使い手が慣れるしかないんじゃないかなと。
西村:そういう問題じゃなくて、Mac使ってるやつが「なんでMac使うの?」って聞かれて、「Macだからだよ!」で答えるノリですよ!部屋に置いといてカッコイイ機種はメイカーボットしかないんだよ!!!
X人:喧嘩になりそうなので、次に行きましょう。
JMC社の上場について
画像出典元:https://www.jmc-rp.co.jp/
2016年11月、JMC社がマザーズ上場。
3Dプリンター会社では(多分)国内初の上場となり、大きなニュースとなりました。
X人:スゴイですよねー。まずはJMCさん、おめでとうございます。
西村:ぶっちゃけると、個人でものづくりしている人からすると、あまり関係ないニュースではありました。
内野:僕が思うのは、3Dプリンターというよりも鋳造に強よみがあるイメージがあります。売上の大半が鋳造で、投資の比率も多くを鋳造設備につぎ込んでいます。やはり、3Dプリンターよりも鋳造の会社だとは思いました。
X人:僕は、同じ元ボクサーとして憧れます。ちなみに、「憧れる」の漢字は書けるのですが、面倒くさくて書いてないだけです。
内野:それよりも字汚いな。
※代表の渡邉さんは元プロボクサーです。
家庭用3Dプリンターが普及するためには?
画像出典元:自宅で手軽に楽しめる家庭用3Dプリンターが登場!!
2013年に起きたメイカームーブメント
現在は落ち着いた家庭用3Dプリンターですが、ゲームやパソコンのように3Dプリンターが普及するには、どうすればいいでしょうか。
X人:みんなの回答がチラッと見えたのですが、5人中3人が同じ内容ですね。
久米原:不要です。3Dプリンターを普及させる必要はなく、コンビニに1台あるくらいのレベルでいいと思います。
吉田:不要です。家に配るよりも、産業用のハイクオリティのものを使いたい時に安く使える仕組みがあればいいかなと。
内野:僕も1家に1台は普及しないと思います。
X人:なるほど、分かりました。では、清水さんと西村さんはいかがでしょう?
清水:まず、マーケットがないところには普及はないと思います。家庭用3Dプリンターの能力が今後高まることによって、DIYなどの大きな市場に食い込んでいけるんじゃないかなと思います。
X人:日本だと海外のようにDIY文化が浸透していないと思うのですが、そこらへんはどうでしょう?
清水:DIY市場規模は世界だと40兆円で日本でも4兆円程度あります。日本市場もそのうちの何%かに入り込むだけでも、大きなマーケットを取れるのではと思います。
西村:僕はコスプレを、
西村:カッコよく使ってもらいます。3Dプリンターで、コスプレ市場のようなマーケットを作ればいいと思うんですね。一番分かりやすく、3Dプリンターと相性のいい分野でコスプレを推します。
西村さんがカッコよく締めたところで、前編はここまで。
本企画は、浜松町のShareTechLoungeよりお送りしました。
朝まで続きます(続きません)
<運営元情報>
株式会社メルタは、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどのサービスを運営しています。ライターの仕事も受け付けます。