2016年のハイプサイクルが発表
ガートナーのハイプサイクルが発表されました。
ガートナー | プレス・リリース |ガートナー、2016年の情報セキュリティ・テクノロジのトップ10を発表
ハイプサイクルとは、米国の調査会社・ガードナーが発表しているレポートのことで、新技術の普及の度合いに関する調査結果を図にまとめたものです。
▼2016年、ハイプサイクルの図
レポートを見て、気になった点が2つ。
・「3D」というワードがなくなっている
・新たに4Dプリンティングが登場
少し前まで、ハイプサイクルに3Dプリンター、3Dスキャナーが入っていたのですが、今年はきれいさっぱり消えています。キャバクラのキャスト並の入れ替わりの速さですね。他にも知らないワードがちらほら入っています。
ちなみに、去年のハイプサイクルについてまとめた過去記事はこちら。
過去記事→ハイプサイクルから読み取る、今後の3Dプリンター市場について | 3D NEWS
3Dの文字が消えて個人的にとても悲しいのですが、市場の安定期を過ぎて、一般的に普及してきたためではないかと考えています。
そして、新しく入れ替わりで登場した4Dプリンター。今回は、4Dプリンターについて色々と調べてみました。
4Dプリンターとは?
4Dプリンターは、3Dプリンターを用いた造形物の出力に「時間」という新しい軸が加わったものです。
3Dプリンターで出力された造形物は変化のない単なる物体ですが、4Dプリンターは時間の経過や温度の変化にしたがって、形状も変化していきます。4Dプリンターで製造したものはよく 「トランスフォーマー」にたとえられますが、”変化する物体”というイメージしても間違いないではないでしょう。
▼4Dプリンターの製造だと、時間が経つと、手を加えなくても形状が変わっていく
画像参照:4Dプリンタが登場か 進化が早過ぎるプリンタのすごい技術 – ライブドアニュース
3Dプリントの最前線にいるMITも4Dプリンターの研究に力を入れています。
形状記憶構造物を3Dプリンターで作れる方法と素材をMITとシンガポール技術設計大学が開発 | TechCrunch Japan
まだまだアカデミックな分野に限られてはいますが、4Dプリンター技術の発展を見越してその活用方法も考えられています。
以下、他サイトから引用
実用化された場合、いきなり”棚が組み上がる”ということにはならないにしろ、たとえば宇宙開発の分野では、ロケットに搭載されて打ち上がるときはコンパクトで、宇宙空間に射出されると自動的に展開するソーラーパネルやアンテナなどという用途も考えられる。
身近なところでは建築材料や工作材料の一部に、運ぶときはフラットで、現場でパッケージを開けると筒状になるとかコの字型に変形する、なんていう部品が採用されるようになるかもしれない。劇的な生活の変化は起こらないかもしれないが、地味に生活に浸透していきそうな気もする技術だ。
4Dプリンタが登場か 進化が早過ぎるプリンタのすごい技術 – ライブドアニュース
しばらくは、一般消費者向けというよりもビジネスの面で活用されそうですね。それにしてもニッチだ。
4Dプリンターについて分かりやすく説明している記事はこちら。
テキストと画像だけだとイメージが掴みにくいので、実際に作られた製品を詳しく知りたい方は以下の動画をご覧ください。
記事を読む限りでは、3Dプリント技術が発展し、素材のバリエーションが増えたことが、4Dプリンターの発達につながったのだと考えます。
3Dから4Dに
5年ほど前から3Dプリント技術の特許が切れ、3Dプリンターの価格が下がってきました。次なる3Dプリンターの進化とは、”造形物自体の変化”だと考えています。
知り合いで3Dプリンターを研究している某有名教授も、一番興味のあるテーマは4Dプリンターだと言っていました。4Dプリンターに関する研究はまだまだ広く知れ渡っていませんが、今後さらに注目されるテーマといえるかもしれません。
あと、4Dプリンターで動画検索すると、あまり関係のないマジックの動画が幾つも出てきます。マジックが好きな方は、こちらも合わせてご覧下さい。
www.youtube.com
あと、2014年のエイプリルフール企画で、4Dプリンターというサービスをリリースしたのですが、まさか本当に登場するとは、、、
■参考サイト
3Dプリンタの次、「4Dプリンタ」の制作に成功 | TechCrunch Japan
3Dプリント後に形状変形可能なフィラメント登場 | 3DP id.arts
<運営元情報>
株式会社メルタは、3D事業に特化した会社です。
3Dデータ作成のモデリーや、3Dプリントの3Dayプリンターなどのサービスを運営しています。ライターの仕事も受け付けます。